3/7 ついった文学賞

こんばんは、きりんです。僕が1番好きな作家さんがtwitter文学賞なるものを取ったらしく非常に大変嬉しいところであります。



なにが嬉しいって、夏から存在を一切消していた舞城王太郎の文章が、コメントだけでしたが読めたことです。文章だけでその人だとわかるものなんですね、元から特徴的ではありますが確信した瞬間に目頭が熱くなりました。



僕が好きな作家は「舞城王太郎」という人です。小学生?のころに新聞に少しだけ載っていたキノの旅を一冊読み終え、別の物語を何か読みたいと思い空の境界を読み、その後に初めて自分で買った本が舞城王太郎の「獣か土か食い物」でした。それまでおじいちゃんの家に行くと一冊本を買ってもらえて、それで満足していたのですが、どうしても読みたくなってしまい買いました。読みたくなったといっても表紙買いで、赤い蛇のウロコのような変わった装丁がしてあって、ほんとにただの一目惚れだったのですが、それがどうしても頭から離れず、結局自分で買いました。自分が最初に買った本があれで本当に良かったと今は思えます。




舞城について書こうとすると今日中に終わらない気がするので書けませんが、僕はゼミの発表で舞城のソマリアをやってポカーンとされた経験があります。最高な体験でした。あと卒論も舞城でした。




魅力はなんなのと聞かれるとなんなんだろうってなってしまいますが、初期は圧倒的なスピード感が魅力だったのではないかと思います。句読点をあまりつかわない特徴的な文体とリズム感で、読書がマシンガントークを聞いているようなのです。あとはその突拍子なく思える展開でしょうか。友人に貸したらわけわかんねえと言われるほどの展開とスピードですが、中毒性がとても高いです。




現在は初期のエンタメ重視傾向から一転して文学作品を書いていますが、それでも良さは変わりません。今回twitter文学賞を受賞した「淵の王」は、その語り手の設定が主に評価されていたようですが、そういった機能だけでなく、僕は「好き好き大好き超愛してる」から、現在の「バイオーグ・トリニティ」にまでつながる「愛は祈りだ。僕は祈る。」という名文かつテーマと深く関わっていたと感じました。





twitter文学賞という賞を受賞したことで、もっと舞城王太郎が世に知られるかも、という意見をツイッターで見かけました。そうなってくれれば良いと思いますが、最近はツイッターの利用者数は減少傾向にあるとも聞きました。この文学賞が続けば、舞城が多くの人に知られることになるのだと思いますが、その基盤となるツイッターを利用する人数が減ってしまうことで、よりコアな人間しか知らなくなってしまうのでは、という危惧もすこしあります。どっちにしてもファンには嬉しいんですけどね。ただ俺は舞城には芥川賞とって欲しいと思ってる。




最後に、「好き好き大好き超愛してる」まで全部の単行本一度に貸してそれっきり返してくれてない高校一年の同級、佐藤(実名)まじ早く返してくれ。




舞城王太郎さん、おめでとうございます。何度目になるかわからない世界は密室を読み直しながらきりんがお送りしました。それでは。